「サギソウだより」 作手自然愛好会発行。

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サギソウ便り
  2007年度前期
  2006年度後期





活動事例・作成中


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湿原や、森に恵まれた、自然豊かな作手。
この作手の湿原を代表する花が、サギソウです。
白鷺がつばさをひろげた姿に似ていることから、命名。
サギソウの花に寄せ、あなたに折々のお便りを差し上げます。


◆ サギソウだより 2008年1月 号外

●号外

「サギソウ便り」の編集発行をしていた大石さんが、昨年の暮れ大怪我をしました。仕事中のことでした。樹木をチェンソーで切っていたさいに、幹が大石さんの全身を打ちました。あと数センチ打ち所が悪ければ、命すら危ういほどの大怪我でした。

このため、「サギソウ便り」の発行を中断します。
今は、大石さんの快癒を祈るばかりです。

◆ サギソウだより 第15号 2007年12月1日発行

●秋の自然観察会

2007/11/4日 晴天 AM9時〜 参加者多数

今日は雲一つない秋晴れです。参加者も多くにぎやかです。異常に暑かった夏の残暑が長く、秋がいっこうにくる気配が感じられません。それでも11月の声を聞き少しづつ秋が深まってきました。

木々の色づきを楽しみに、はじめに桂の紅葉を見に木和田に向かいました。春の桂の芽吹きの頃から心まちにしていた黄色に輝く、桂の紅葉を頭に描きながら山道を登っていきました。

桂の葉は黄色く色づき、すでに散り始めていました。桂の葉には甘い香りがあると聞き、黄色い葉、茶色になりかかった葉など、数枚を手にとって香りをかいで見ました。しかしあまり香りは感じられませんでした。でもそばにいた方の家に植えられた桂の木は香りがするそうです。

今日はその外にブナ、トチノキ等多くの木々を見ることができました。とくにトチノキは、作手では初めてみました。守義の若見沢にあり幹回り3.5m、高さが25mをこす大きな木がありました。この沢にはトチノキのほかに、フサザクラ、オオバアサガラなど、春の開花が楽しみな樹木がたくさんありました。

木和田や菅沼、守義の若見沢など、いろいろな山を歩き楽しい一日でした。

(鳥山慶子)

カツラ紅葉
カツラ紅葉

ブナ紅葉
ブナ紅葉

二次林の雑木林
二次林の雑木林

トチノキ紅葉
トチノキ紅葉

●シリーズ 作手の植物(10)

キダチコンギク キク科
キダチコンギク キク科

仕事の帰り道、植物の観察が趣味とあって、カメラ片手にぶらついていると、路傍の野草のなかに、キクの花によく似た一回り小ぶりな花が、枝に鈴なりに咲いていました。この花は数年前から急に広がり、どこにでも目に付くようになりました。

この花の正体はキダチコンギクといって、北米原産の帰化植物です。外来種は入り込むと急激に拡大します。このキクは、枝が茎から直角に伸びているのが特徴です。もとのほうの茎は木質化して硬くポキッと折れます。開花期間は長く9月下旬から11月半ばまで見かけます。

帰化植物はハキダメギクやセイタカアワダチソウ、ワルナスビなど厄介者が多いのですが、この花はあまり違和感がないように思われます。(大石)

●お知らせ

12月16日(日)午後1時30分より権田昭一郎先生宅にて定例懇談会を行います。皆さんの今年1年の自然観察の話題その他、あんな話こんな話と、なんでもありの本年最後の定例会を楽しく盛り上げたいと思います。

12月に入り何かとお忙しいとは思いますが、お集まりいただきますよう、よろしくお願いします。

長ノ山湿原の標示看板が新しく立て替えられ、衣替えしました。湿原はいまヌマガヤが枯れ、冬の姿に変わりつつあります。溜池の水中に細長い葉の植物が群生しています。一度観察して調べてみてください。

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◆ サギソウだより 第14号 2007年11月1日発行

●四季折々・自然豊かな作手の山荘(佐野喬則)

私たち家族は豊田市に住居を構え暮らしています。車の騒音など、町特有の騒々しい生活環境のなかで日々生活しています。作手の黒瀬に両親と共同で山を購入し、数年後に山荘を建て15年になります。以後、週末には家族と共に山荘暮らしをし、周辺の草刈や雑木林の手入れをして過ごしています。

山林を購入した当初は、雑木を伐採した赤松林の山でした。松の緑が青空に映え、とても美しく明るい山でした。10年程前から松枯れが始まり、今はほとんどの松が立ち枯れ、雑木が混みあう山となりました。山の管理をどうしたらよいのか、思案に暮れる中で出会ったのが、自然愛好会の皆さん方です。植物や樹木の名前を教えていただきながら、切る木、残して育てる木など管理の仕方を教えていただきました。

手入れのこつがわかるようになって、数多くの植物が顔を見せるようになりました。家の手前を30mほど進んだ窪地から地下水が湧き出し沢にそって小さな湿地となり、ショウジョウバカマ・サワギキョウ・サワシロギク・ヤマラッキョウ・オニスゲ・アブラガヤ・マアザミ・ミカズキグサ・ヌマガヤなど湿地の植物が生育しています。沢の周辺には、クロミノニシゴリ・サワフタギ・ノリウツギなどの潅木があります。

松が枯れ、雑木が生い茂っている里山には、実に多くの植物が生育し、四季折々に心を和ませてくれます。コナラ・ヤマザクラ・ウワミズザクラ・リョウブ・シロモジ・クロモジ・コシアブラ・ウリカエデ・イロハモミジ・バイカツツジ・ヤマツツジの外、名前がわからない木がたくさんあります。下にはヤマイワカガミが山の斜面に咲き、イチヤクソウ・キンラン・キキョウ・オミナエシ・カシワバハグマ・リンドウ・ホトトギス・コウヤボウキ・オオバノトンボソウ・クモキリソウ・ノギランなどが春から秋まで楽しめます。

生い茂った雑木を間伐して日当たりをよくし、下の植物がなくならないように、「自然を育む」新たな里山作りを目標に、余暇を活用していけたらと願っています。

ヤマイワカガミ
ヤマイワカガミ

シラネセンキュウ
シラネセンキュウ

キキョウ
キキョウ

カシワバハグマ
カシワバハグマ

●シリーズ 作手の植物(10)

セキヤノアキチョウジ シソ科
セキヤノアキチョウジ シソ科

秋も深まり、山の木々が紅葉し始めるころ、林のふちや山道には青紫色の唇を突き出した形をした、胴長の花の群生が数多く見られます。

この花は単品よりも群生して咲いているのがよい。関東から中部地方に分布する本種とよく似た仲間に、花柄の短いアキチョウジがあります。

作手で見かけるのは花柄の長いセキヤノアキチョウジで、岐阜県以西に咲くアキチョウジは見当たらない。両者は、愛知県と岐阜県あたりを境にして住み分けをしているようです。

ところで、セキヤノは「関屋の→関所役人の見張り小屋」、アキは秋咲きチョウジは熱帯植物の「丁子」をさす。箱根の関所役人の見張る関屋の近くで見つかり、秋咲で「丁子に似た花」からこの名がつけられたようです。

参考引用文献 野草の名前図鑑 山と渓谷社(大石)

●秋の植物観察会 10月21日(日) 快晴

さわやかな秋晴れの下、南部方面に植物の観察に出かけました。標高は400m前後でしょうか。宮川の上流を川筋に沿ってみていきました。

始めて見たカナクギの実は、先端が赤色でこん棒状のものが放射状に集まり、面白い形をしていました。これが木の下方の枝にびっしりつき葉の黄色と相まって、1本で秋を体感しました。サンキライの実も色づきはじめ、マルバノヤマホロシの実が真っ赤に熟したのをながめがら、ムカゴを収穫しながら歩きます。逆淵の滝の岩肌にはカエデダイモンジソウやシラネセンキュウが咲き、滝の流れと調和し、木漏れ日に映えていました。作手には数本しかないタブノキもありました。

シダは珍しいもがありました。和田にオシダがありました。ハコネシダも覚えました。オオバノハチジョウシダもありました。とにかく種類が豊富で姿かたちがさまざまなシダは、手におえないというのが実感です。

6人で行った秋の実り多い遠足でした。(今泉)

カエデダイモンジソウ
カエデダイモンジソウ

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◆ サギソウだより 第13号 2007年10月1日発行

植物観察会のお知らせ

身近な野山の植物観察
10月21日(日)に、林道、戸津呂・和田線の宮川沿いのカエデダイモンジソウやイヌショウマなど路傍の植物。杉平から赤羽根にかけて、希に見られるシダの仲間ほか、秋の植物を観察します。
集合場所 権田昭一郎先生宅前 9時集合
観察用具、弁当,水筒その他

作手では希な樹木の紅葉を観察
日時/11月4日(日)
集合場所/作手総合支所前
時間/AM 9.30
作手の木和田にある、高さ25mを越すカツラの大木や、菅沼に自生する幹囲が2m近いブナなどを観ながら、周辺の植物の観察をします。
観察用具、弁当,水筒その他

初めての方は、メールまたは電話にて、お問い合わせください。

●第16回湿地サミットが豊田市で開催されました。

9月28日(金)に湿地、湿原を有する自治体がもち回りで行う湿地サミットが、豊田市の主催で鞍ヶ池公園を会場にして開催されました。作手からは、権田昭一郎先生、内藤信司、林美之春、村田藤子の各氏が参加しました。

午前中は矢並湿地の観察会がもたれました。普段はフエンスで保護されていて、許可がなければ入れません。矢並湿地は、市道をはさんで東湿地と西湿地に別れていて、東西合わせて30aほどの湿地です。東湿地は下流域水田の水源となっている沼沢湿地。西湿地はその形状から、水田が長年耕作放棄され、湿地となったものと思われます。

湿原の主な植生は、シラタマホシクサ・ミカワシオガマ・サギソウ・サワギキョウ・ウメバチソウ・ヌマガヤなどで、ほかにミズトンボ・イワショウブ・ミコシギクなどがあります。当日の現地は、シラタマホシクサが満開で、その中にミカワシオガマが点在し、ラン科の大型種、ミズトンボにも出会え、最もよい時期の湿原を観察することができました。作手の湿原では、数年前から顔をみせなくなったミカワシオガマが、たくさん咲いていて羨ましく思いました。

午後からは、矢並湿地の保護活動の報告などがあり、俳優で自然にたいしても造詣の深い、柳生博氏の興味深い講演が行われました。

来年は、長久手町で開催されます。皆さんそろって参加しましょう。(内藤・村田)

柳生博氏の講演
柳生博氏の講演

ミカワシオガマ
ミカワシオガマ

シラタマホシクサ
シラタマホシクサ

●錦秋の黒部・立山登頂記

9月29日早朝。天空の別天地、室堂(2400m)に立ちました。大パノラマの雄大な山々。われを忘れてライチョウ気取り。深呼吸の後、いつもの自分に戻りおおはしゃぎ。晴れ女2人が行ったことで、作手は雨空というのに、天気がぐんぐん回復し、登山にはうってつけの日となりました。

例年に比べ一週間ほど,紅葉が遅れているということでした。草モミジ、イワイチョウ、トウヤクリンドウ、チングルマらの秋の姿と、ウサギギク、シラタマノキの花を横目で見ながら,立山三山をまじかに仰ぎ、3015mの大汝山まで、いい汗を流して登っていきました。

天気よし、登山よし、自然観察よし、の素晴らしい楽園でした。(今泉)

登頂の三人娘?
山頂の三人娘

●シリーズ 作手の植物(10)

カリガネソウ クマツヅラ科
カリガネソウ

カリガネソウの花は、なんともいえぬ、魅力的な形態をしている。花は合弁花だが、花びらが5枚あり合弁花らしくない。下の花びらはラン科の唇弁のように長く伸び、濃い斑点がある。雄しべ4本と花柱は上に長く伸び、大きく湾曲している。観ればみるほど面白い。

唯一の難点は,開花時になんともいえぬ強い不快臭がすることである。この臭いにはつくづく閉口する。

カリガネソウの自生は、作手には極まれにしかなく、私が出あった限りでは、赤羽根の集落を過ぎた杉林の縁にあるだけと思われます。

和名の由来は、花が家紋の?結び雁金?に似ているところからつけられたようです。

参考文献 野草の名前図鑑 山と渓谷社(大石)

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